物理学解体新書/携帯版


■質量と重量の違い■

「月に行くと、体重が6分の1なる」という。
60キログラムの宇宙飛行士が月で体重計に乗れば、体重計の目盛りが10キログラムになるのだ。


宇宙飛行士の身体を形作る骨や筋肉、体内にある水分が、月に行って減ったのではない。
人体のもともとの量は減っていないのに、重さだけが変ったのだ。
人体に限らず、物体でも同様だ。


60キログラムの金属の塊を月面に運べば、10キログラムになる。
金属の塊を構成する原子の数は、地球から月へ行っても変化しないはずだ。
もともとの量は変らないハズなのに、重さだけが変ったのだ。


ここから、物体は
・場所によって変る「重さ」と
・場所によって変らない「もともとの量」
の両方を持つことが分かる。



変るハズのない「もともとの量」と、場所によって変る「重さ」は、まったく別のものなのだ。


月面にあっても地球上であっても、人体や無生物の「もともとの量」は変わっていない。
にもかかわらず、月が人体や無生物に及ぼす引力が地球上と比べて六分の1になるため、体重計にかかる力も六分の1になったのだ。


地球上、月面、無重力空間を問わず「もともとの量」は変わらない。
この「もともとの量」のことを「質量」という。


物体は地球や月の引力の作用を受けて(地球・月と物体が引き合って)重さが生じる。
この重さが「重量」である。



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